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10月12日 台風19号 本社・倉庫 水没!! 翌13日の光景です。
この希有な経験を無駄にするまい。あらゆる物が流されてしまい、再起に疑問をもったものの、周りの人々の協力で復興に邁進。!!
完全復興できるまで、今回の経験を情報発信します。より安全な企業をめざして、なにをすればよいのか、ご覧になった方の参考になればと。
12日の午後9時頃、都幾川の堤防決壊、3.5−4m近くまで冠水。 翌13日の昼頃に水が引き、建物にたどり着けた。
近隣のショッピングモール・ピオニーウォークも浸水、周りの住宅も多大なダメージを受けていました。当社の地区は特に水位が高く、周りの家屋は屋根まで浸水していました。
シャッターやドアも変形して、すぐには入れない状態でした。
当社の車両も水没、なぜか窓が開いたため流されずに、駐車場に残っていました。しかし、社内はどろにまみれて無残な状態です。
浸水した、建物の中へ
水の破壊力に驚かされました。鉄製の扉を変形させ、壁・天井をぶち抜いていました。
あらゆる物が、どろにまみれて、山となって歩くこともままならない状態であります。
事務所のOA機器・作業場の測定器・試験器もすべてどろの山の中です。急いで、2階へ、サーバーの確認をしました。
幸い、2階への浸水は、あと5cmのところで免れました。
2階が残っていること、サーバーが無事であったので、ひとまず再建はできると感じ、改めて被害の確認へとなりました。
隣接の倉庫へ確認に行きました。
倉庫の状況
昨年完成した、隣接の倉庫もすぐに入れない状態て゛ありました。
シャッターは、電気がありませんので開けられず、入り口ドアーは中の荷物がのしかかり、開きませんでした。
倉庫内も、高架棚の2段目の荷物までしっかりと浸水。ほぼすべての物が、使用不能な状態でした。
散乱した荷物の下には、まだおおくのどろと水が残り、商品の中まで水がたまっていました。
多くの商品・部品で救えるものがあるのか?、引っ張り出しながら確認しましたが、
ビニル袋に入っている物でも、大半は泥水が浸入していました。
電子部品などの密封のものでも、ほぼ水が入っており、救済できた物は、
アルミの型材くらいでした。アルミ・ステンレスの板金物でも、どろが細部にまで入り
洗っても取り切れないことがわかり、ほぼすべての物を廃棄することになりました。
大量の電線類もどろと浸水で、未使用品すべて廃棄となりました。
そして、なにより困ったことが、お預かりしている商品や、支給材などもすべて同じ運命となり
廃棄せざるを得ない状態となったことでした。
保険・会計事務所・建設会社に連絡入れ、対処と指示をお願いしました。
電気も通らず、道路もどろだらけで歩くこともままならない、状況で翌日の段取りと社員への
協力依頼をして終わりました。
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14日 片付け開始
最初は、選別と大切な物を探しながらと考えたものの、どろと水にまみれた状態では、不可能と思い知らされることに。
引き出しなどだけでなく、あらゆる物から泥水が流れ出してくる状態でありました。
選別でなく、すべてを室内から廃棄することしか、選択支はありませんでした。
ニュースの中の被災地に突然放り込まれたごとく、何よりもすべてがゴミと化し、それらの置き場すらなくなる状態でした。
当社の前の農業倉庫前は、1日で満杯となり、道路まであふれ出す始末でした。
被災、翌日より当社を建てていただいた、建設会社が迅速に対応してくださり、電気・ガスなどの関連業者の手配や、大型の発電機を確保してくださりました。
15日には、建物関係の被害の状況と今後の対策方法などが見えてきました。
当初、ライフラインは水道だけでありましたので、何より、
発電機の確保が当社が迅速に再開に向けて、準備できる環境を作り出しました。
翌日、市より道路の先にある当社の駐車場300坪を貸してほしいとの依頼、了承しゴミの搬入が再開するが、ここも2日で満杯となった。
17日より自衛隊の災害派遣が入り、ゴミの撤収がはじまる。
20日の連休まで、廃棄とどろの処理に没頭、多くの協力と商工会より、専用の廃棄物用コンテナを配置されたのが
当社の廃棄作業を速やかにしてくれました。
廃棄作業にあわせて、手配したことは、建物の被害状況の確認として、電気・ガス関係、通信・警備・消防なとの設備を調べていただきました。
事務系の業務再開にむけては、パソコン、コピー、FAX複合機の確保でした。
翌週の23日の、業務の再開をめざして準備しました。また、水没したパソコンのハードディスクを取り出して、データの読み取りを始めました。
建物内の物を排出し、どろを流した直後の写真です。 片付けはじめておおよそ1週間後の姿です。
23日より業務を少しでも開始できるよう、本社内空間を確保するとともに、再建するための工事・設備の見切りが
始まりました。
なにせ、この建物を建てたときは、浸水は1m程度の想定であったものが、天井のうえまで、3−4m
想定外の浸水で、どれだけの損害なのか、使えるものはあるのか、・・被害の実態が少しずつ見えてきました。
1階にあったすべてのものが、なくなりました。
部品・材料はもとより、出荷待ちの完成品、取引先からお預かりしている、商品・支給材。
製造現場の椅子・机、検査機器・治工具、梱包資材から、ビス類に至るまですべてを廃棄いたしました。
事務所では、コピー、複合機、パソコンなどのOA機器、電話器などをはじめ、電卓や筆記具にいたるまで
また、書類関係は通常の伝票だけでなく、保険証書・契約書などの重要書類も、書庫の上部にあったものも
すべてが水没のため、回収できませんでした。
書籍・カタログなど紙製品は、水害でどろにまみれるだけでなく、書庫や引き出し内で膨張して、取り出すことが
できなくなりました。
倉庫でも、同様であらゆる部品、商品が廃棄となりました。
金物やプラスチック製のものでも、まみれたどろが細部にまで入り、水荒いではきれいに取り除けないことが
判明、残せた物は、アルミの押し出し型材程度でありました。
20年にわる、当社の歴史で蓄積した、蛍光灯関係の各種部品、LED関連の商品見本などがすべてなくなりました。
建物・設備の被害状況は、天井を超えたことで、半端ないものとなりました。
幸い、本社・倉庫とも鉄骨構造のため、基礎・外装への影響はなく、内装の再生で何とかなったことでした。
それでも、天井を含めて、すべての壁仕切りを再建することになりました。
併せて、設備関係の被害が甚大で、照明機器・空調機器(室外機の関係で2階もすべて)・電話交換機・LAN設備
消防報知機器・警備機器のすべてが交換が必要と判明。さらに、高圧受電のキュービクルも交換が必要と判明、
このキュービクルにいたっては、1ヶ月はかかるとのことで、頭を抱えました。
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23日 再建にむけて
事務所と電気・通信の確保
1階の配電盤をふくめて、基幹の回路が使えないため、2階以上をきりはなして、発電機からAC100Vを供給。
3階に折りたたみ机を配置して、仮の事務所を設置。パソコンなどを搬入した。
23日にインターネット仮接続、26日電話仮開通、電気は発電機のため夜間は不通であった 。
2階作業場も、一部電気が復旧して、遅れていた製作を開始した。
仮設の電話交換機
1階の改修工事に合わせて、資材の受け入れと出荷作業を開始。11月にはいり、仮設電源が入り夜間停電が回避できるようになった。
事務関連では、なくなった書類・資料などの復旧のため、取引先に再発行やコピーの依頼をするとともに、サーバーのデーターとの照合・
補正に没頭。常時ある取引先は比較的合わせやすかったが、希な案件や現金取引など、は確定できない物や、あとになってでで来る物など
相当な時間を要した。金銭は、現金・切手・印紙などが流出、処理はいかに?。
筆記具、電卓、スタンプ、印鑑、ノートなど基本的なものがすべて無い状態でスタート。ホームセンターに足繁く通うはめに。
ネット通販にも、相当な寄与をいたしました。
製造作業現場、出荷現場も同様で、日々ホームセンターとネット通販に頼ることに。
現在のこの便利な環境がなければ、早々に業務開始はできなかったと思います。便利な時代に感謝!!
保険の手続きも平行して進める。
今回、痛かったのは、本社の建物が水害に入っていなかったことであった。
昨年建てた倉庫はすべての保険に入っていたが、本社を建てた12年前は、この地区の浸水は1m程度との想定で
鉄骨へ−ベル構造であることから、設備と商品に重点を置いた構成になっていたのである。
ひとまず、対象の商品と設備関係のリストを作成して提出、倉庫は修繕費の見積もりを提出、概算の金額を聞き
時間のかかる設備機器・試験器などを手配。
倉庫関連はすべて、保険が使えるめどが立つも、本社側で新たな問題が・・・
設備となる対象は動かせるもので、天井取り付けのエアコン・消防設備・防犯設備・キュービクルなどは含まれないと判明。
やはり、半端ない損失が・・・ 公的な補助がどの程度あるのか、・・・ ひとまず、災害時緊急融資でキャッシュを補填。
壁はすべて撤去、天井は張り替え
壁の貼り替えとあわせ、電気・通信関係の配線も平行で進む、照明器具の設置も進むが、仮設電源で余力がなく、1階は点灯なし。
日々、気温が下がりはじめ、仮設電源の容量不足のため、2階以上も暖房器具を使えず、全員防寒の厚着で作業。
11月20日ころには、据え付けのカウンターと棚が搬入、壁も仕上げ工程にはいった。
壁紙の仕上げが進むとともに、清掃・美装が入り、窓や床などのどろ汚れが取り除かれ、見違えるほどに復旧。
作業は2階・事務は3階と不便なままであるが、業務としては7割程度まで復旧。社外の制作応援もあり、遅れていた業務も改善。
部品、材料などもそろいはじめた。
11月30日
ついにキュービクルが入り、電気が復旧、新しい、エアコンもそろいました。
久々に明るい事務所となり、感激。
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12月 9日 1階へ事務所移動1階の工事がほぼ終了、通信関係の工事がおわり、事務所を戻した。ほぼ従来通りとなった。
給湯設備、消防、防犯機器はこれから設置・検査の予定、来客に暖かいお茶を出せないのが少し残念。
被災から2ヶ月で、保険の処理がおわり、当面の金銭面の負担は解放された。
本社の無保険分も、国の補助が出るとのことで、6−7割程度は軽減される模様で、経営に及ぼす影響が軽微ですむ
模様となり、ひと安心。
12月16日
給湯室のガス機器・防犯・消防設備の設置と検査が終わるとともに、
最後に、防火扉、作業場の扉などが入り、ほぼ完了。
作業場も、エアコンが稼働し環境はすべて回復、今後は社内環境の装備・設備・資材確保が主となりそう。
業務に至っては、ほぼ回復、年内をめどに遅れとかたづけに、邁進。
会社前の道路の清掃も入り、どろ汚れとほこりから、解放されそう。エントランスも元通りとなった。
12月18日 被災から2ヶ月、何とか回復、ひとまず年内で完了、新年にむけて、再スタートの準備。
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今回の水害について、
都幾川と越辺川に挟まれた、早俣全域とあずま町が浸水、ショッピングモールのピオニーウォーク・ケーズ電気と
ライフガーデン・新興住宅地の一部が被災。
12月8日ころより、ライフガーデンの店舗が徐々に再開、ピオニーも27日より再開との情報であった。
私どもがある早俣は、住宅が主であり、そのほとんどが今回の被災で無人のままとなっている。
この地区では、水位が1階の屋根にまで達しており、大半の家が解体の運命ではないかと思われる。
早俣地区集会所・・屋根瓦までずれている。 会社前の住宅は清掃は終わっているものの、手つかずのままである。
私どもは会社での被災だったので、精神的なダメージはそれほど大きくなく、がむしゃらに修復させて、今に至り、従前に近い形で復興した。
近隣の住人の方々は、自宅もろとも、あらゆる品物を廃棄せざるを得ない状況となり、さらに継続して住めないとなると・・
相当なダメージを受けているものと思われる、従来の生活と思い入れのあった品々を一度になくすという悲惨なことを2度と繰り返してほしくない。
この水害も、発生直後のSNSでの情報から、治水という大きな観点から、起こりうる場所であったことがわかってきた。
今回、溢水と決壊となった場所、早俣橋の下流方向の写真である、ブルーシートの部分が溢水した土手であり、白い部分が決壊した場所
手前の樹木は、子剣神社があった場所である。
大きな川に囲まれた場所、合流点の内側などは、下流の密集地などへ洪水を回避させるために、最悪の状態となる前に溢水させて
被害の拡大を防ぐように計画された場所であると説明されていた。このような場所はいくつもあり、被害の想定が限られる、あふれた水が
他へ流出しない場所を選定してあるのだそうだ。悪魔の選択とされていた。
確かに、治水という大きな観点からみれば、常に被害の大小でこのような、設計は多く存在するのは当たり前かもしれない。
自分達のロケーションとハザードマップで確認すると見えてくる。
今回の堤防も早俣橋から、越辺川の交流点までが、旧規格の堤防のまま残されていたのだ。
ただし、今回は、さらに完全な決壊となり甚大な被害となっのではないだろうか?
子剣神社 結構古い歴史あるたてものであった。
決壊場所は、この神社の後ろがわであった、このため神社は土台まで、跡形もなく流されてしまった。
周りの大木も根こそぎ流出していた。
流された、樹木20m近くはあろうかというものが、田んぼのあちこちに・・
土手からの決壊現場と修復状況
決壊部分はしっかりと修復されているものの、手前土手の溢水した部分はそのままである。
1度決壊したところは2度と起きないようになると聞くものの、来年までに改修できるのだろうか、不安である。
早俣水害関連 SNS ピックアップ
水害早俣写真
国土地理院ハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/index.html?ll=35.991897,139.428263&z=13&base=pale&ls=seamless%7Ctameike_raster%2C0.8%7Cflood_list%2C0.8%7Cflood_list_l2%2C0.8%7Cdisaster1&disp=01010&vs=c1j0l0u0