バックナンバー3 2001年11月28日 掲載 今回は電気に係わることについてお話させて頂きたいと思います。 電気のお話シリーズとして逐次掲載する予定です。 みなさまの御意見・ご質問お待ちしております、今後もよろしくお願いします。 **電気のお話シリーズ 第1回 蛍光灯安定器** 蛍光灯安定器は従来型の電磁安定器(銅鉄型)と電子安定器(インバータ型)の2種類に別れ基本的な動作は大きく異なります。 電磁安定器はランプに合った電圧となるよう変圧する機能とランプに流れる電流を調整する機能(チョークコイル)の2つの機能を併せ持っています。 蛍光ランプは負性放電特性というやっかいな性質があり、一定の電圧であっても電流が除々に増加してしまうため安定器がないと安定した点灯が維持出来ないのです。 余談ですがこのような特性に対応した安定器は出力がショートしてもすぐに壊れることがありません、40W型等の出力線のある物には2次短絡電流という表示がありショートさせた場合に流れる電流が一定以上にならないようにする大変優れた機能があります。 電子安定器は通常50/60Hzの電源周波数を45000Hz程度に変換してランプに供給するためチラツキが無くなるとともにランプにより多くの電流を安定して流すことが可能となります。 回路は電子部品で構成され電流・電圧をコントロールしていますので、グローランプが不要となり、また同じランプでより明るく点灯することが可能となります。 電磁安定器 メリット・・低価格・堅牢・防水型が汎用である デメリット・・重い・50/60Hzで分けて使用・効率が悪い 電子安定器 メリット・・軽量・50/60Hz兼用・効率が良い・ちらつかない・ランプ寿命が長い デメリット・・高価格・電子回路のため防水型が少なくあっても非常に高価である 以上のような特徴があります 回路とそのしくみ グロー式電磁安定器 上記に対応する品種は 100V4W-30W 200V40W以下のグロー式のもの 入力電圧がランプ電圧より高い場合上の回路となります。安定器・ランプが直列配線で構成されます。
上記に対応する品種は 100V32W以上 200V52W以上のグロー式のもの 入力電圧がランプ電圧より低い場合上の回路となります。安定器・ランプが平列配線で構成されす。これは安定器内でコイルを2個もって入力電圧を昇圧して出力するためで、安定器からは電線が4本出ています。 ちなみに100V40Wの安定器では入力100Vに対して出力は200Vとなります。 グロー式蛍光灯の点灯するしくみ グローランプはその名のとおり予熱回路の役目をします。上記の回路図においてランプに入力された電気はランプが点灯していない状態ではランプ内のフィラメントを通ってグローランプに印加されます。 グローランプは印加された電圧が規定以上であれば放電(青く光る)を開始しこれにより内部のバイメタルが加熱され接点を閉じます。接点が閉じる事で電流が流れフィラメントが予熱されます。グローランプは接点が閉じたことでバイメタルの温度が下がり接点が開いて初期状態に戻ります。 フィラメントが加熱されたところで、接点が切れると瞬間的に安定器内のコイルに大きな電圧が発生します。この時の高い電圧がきっかけとなってランプ内で放電(点灯)が始まります。ランプ自体の放電によりグローランプに架かる電圧が下がりますのでグローランプは動作しません。 この時ランプが点灯しないとグローランプには当初の電圧が架かりますので再度始動します。ランプ寿命で点滅を繰り返すのがこの現象です。長く続くとグローランプのバイメタルが溶着してしまい電気が流れっぱなしとなり、蛍光ランプ両端が赤くなっている状態となります。この状態はランプだけでなく安定器も高温となり著しく寿命を縮めます、出来るだけ早く交換する事が肝要です。 グローランプは上記のような重要な動作します。この時基準となる動作電圧は各タイプで異なります。このため、適合ランプとの組み合わせが決まっています。なお、200V30W以下の、ものでも40W用の4Pグローを使用するのは入力電圧が200Vのため100Vの場合よりグローランプ両端の電圧が高めとなるためです。 ラピッド式電磁安定器
基本的な機能は電磁式と同様です、大きな違いはグローランプを使用しないで点灯させる方式のため上図のようにランプ両端のフィラメントに常時弱い電流を流して予熱を続けていることです。 ラピット゛式蛍光灯の点灯するしくみ ラピッド蛍光灯の場合は上記のように、常時フィラメントを予熱するとともに安定器の出力電圧が高く設定されているとともに専用ランプ自体にも特殊な加工が施されています。 ラピット型ランプはガラス管内面に導電体が塗布されており、この補助と先の高めの電圧によりグローランプがなくても放電(点灯)が始まります。 ショーケース用のエースライン・スリムラインの2本ピンタイプもこの仲間です。このためこれらのランプには銀テープが張ってありこれが先の導電体の役目をしています。 電子安定器 電子安定器(インバータ)は回路構成は上記のラピッド式と同じになります。ただ始動メカニズムは電子回路の制御により行われ、メーカーによって多少の差異はあるものの基本的には、始動時に予熱電流を流すとともに高圧を印加して放電させます。 不点灯やランプ寿命末期は回路内で電流値を検知して再起動や始動停止を行う用になっています。 高級な安定器では電源電圧が100V-200Vのフリー電源もちろん50/60Hzも兼用のものもあります。
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